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老後の生活費はいくら必要?気になる一人暮らしや夫婦世帯の生活費の内訳を解説

老後資金としてどれくらいの金額を準備したら良いか不安に感じていませんか?老後にむけていくら準備しておく必要があるかを知るためには、老後の生活費がどれくらいかかるのかを把握しておく必要があるでしょう。ここでは、老後の生活費の目安や、生活費の準備方法について紹介しています。

目次

超高齢社会の日本 人生100年時代に

厚生労働省が発表している令和5年度簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が81.09歳。女性は87.14歳です。  

平均寿命が延びるほど生活費もともなうため、用意するべき生活費が増えることを想定しておく必要があります。

日本の高齢化率(全人口に占める65歳以上の人口の割合)は内閣府 令和6年度版高齢社会白書によると2020年時点で28.6%と世界一です 。高齢化率はさらに増加していくと予想されています。  また、100歳以上の高齢者の数も、約9.5万人(令和6年9月1日現在)となり、毎年増加傾向となっています。 このように、日本は超高齢社会を迎えており、100歳まで生きることが決して珍しくない時代にすでに入っています。

老後の生活費はいくら必要?

実際に老後にかかる費用は、世帯によって異なります。モデルケースをもとに、老後を過ごしていくうえで、どのような費用が、いくら発生するかを見てみましょう。

夫婦2人の老後の最低日常生活費は月額約23万円

生命保険文化センターが行なった、令和4年度「生活保障に関する調査」の回答では、夫婦2人の老後の最低日常生活費は20~25万円が最も多く、平均で月額23.2万円となっています。

ゆとりある老後の生活費は月額約38万円

一方、同調査よりゆとりある老後を送るために必要な生活費については、平均で月額37.9万円という結果になっています。最低日常生活費に対する上乗せ額の使いみちとして、最も多かったのは旅行やレジャーが1位。日常生活費の充実、趣味や教養と続きます。

老後の生活費 その実態と内訳は?

老後、日々の暮らしを送るためには実際にどのような費用がかかるのでしょうか?65歳以上の夫婦2人の無職世帯と単身無職世帯それぞれのケースについて見ていきましょう。

・夫婦2人の無職世帯の生活費の内訳は?

65歳以上、夫婦のみの無職世帯の生活費内訳は以下の通りです。

・単身無職世帯の生活費の内訳は?

65歳以上単身無職世帯の生活費は以下の通りです。

*その他の消費支出…諸雑費、交際費、仕送り金、他の世帯への贈答品など

※表内の各項目の金額は、それぞれの平均金額となります。

必要な老後の生活費は、それぞれのライフスタイルで変わる

老後に必要な生活費は、ライフスタイルによって変わります。老後の生活費に影響するライフスタイルにはどのようなものがあるでしょうか?

・夫婦か、一人暮らしか、家族構成で変わる

令和5年の総務局統計局の家計調査では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の月の平均生活費は282,497円(うち消費支出250,959円)です。しかしこの金額は高齢夫婦無職世帯を前提に算出しているため、高齢単身者なら生活費はより少なくなる可能性が高くなります。また、二世帯・三世帯で住んでいるような家庭であれば、生活費の負担はさらに少なくなる可能性もあるでしょう。

なお、単身者の場合の平均生活費は157,673円(うち消費支出145,430円)です。夫婦世帯と単身世帯では、月額124,824円(うち消費支出105,529円)の差があります。

・持ち家か、賃貸かでも変わる

総務局統計局の家計調査において、夫婦世帯の生活費のうち、住居費に占める金額は16,827円です。仮に賃貸住宅に住んでいる場合は、この金額よりも多くの住居費がかかるでしょう。

一方、二世帯、三世帯で同居している高齢者であれば、住居費の負担は少なる可能性もあります。

その他、65歳以降も住宅ローンを返済中であったり、高齢者住宅に住んでおり家賃は子どもが援助している、家賃が高額な賃貸物件に住んでいるなど住居に関しても、個別に考慮すべき内容は多岐に渡ります。

・健康状態で変わる

健康寿命についても考慮する必要があるでしょう。なぜなら、実際には平均寿命となる年齢に至るまで健康的な生活を送れるとは限らないからです。

厚生労働省の令和2年版厚生労働白書によると、平均寿命と健康寿命の差は、男性で8.84年。女性では12.35年とあります。健康寿命とは、日常生活に制限のない期間のこと。つまり、平均寿命からさかのぼって8~12年は、病院や介護にかかる費用の急増や、高齢者施設に入居するなど大きなライフスタイルの転換が起こる可能性があります。

老後はたくさんの預貯金を準備しておかなければならないと、不安が先行してしまいがちですが、早い段階で老後資金に不安がある可能性に気づき、自己資金を用意するなどの対策をスタートすることが大切です。

老後資金は働いているうちにしっかり準備することが大切

老後資金のような大きなお金を用意するためには、1年、2年といった短い期間では難しく、時間をかけて準備していく必要があります。そのため、準備は働いて収入がある間に、なるべく早くスタートすることが大切です。

また、仮に定年退職までに十分な貯蓄をする期間がない場合でも、近年では定年退職した後も、長く働ける環境が整っています。これは、現在では、国の年金の財源確保という意味で働き手を増やす政策が拡充されているためです。

代表的な政策として、高年齢者雇用安定法があります。高年齢者雇用安定法は、企業が定年を65歳未満に定めている場合、事業主は、以下のいずれかの措置を講じなければならないというものです。

  • 65歳まで定年年齢を引き上げ
  • 65歳までの継続雇用制度を導入
  • 定年制度を廃止

また、この高年齢者雇用安定法の一部が改正(令和3年4月1日施行)され、企業には70歳までの定年の引上げや、70 歳まで雇用を継続するなどの措置を制度化するよう努力義務が設けられました。つまり、企業によっては60歳で定年退職となったとしても、希望をすれば65歳以降もその会社で引き続き働き続けることができます。

こうした背景もあり、日本における65歳以上の高齢者の労働力人口は年々増加傾向にあり、2023年時点では930万人で全労働者人口の13.4%が65歳以上です。

また、日本の公的年金の支給は原則65歳からです。そのため、仮に60歳で定年退職をしてしまうと、働くか、年金の繰り上げ受給をしないと無収入で生活費だけがかかることになります。

したがって、60歳で定年退職した後、65歳の公的年金支給開始までの期間に何の収入もなければ、大きく貯蓄額を減らしてしまうことになるでしょう。雇用期間の延長は、貯蓄の流出を防ぎ、老後のライフプランを安定させる上で非常に有効な方法といえます。

保険などを活用して賢く資産形成を

時間をかけて老後の資産形成をしていくために、口座引落などで自動的にお金が引き落とされる保険の活用も有効です。資産形成に向いている保険商品を紹介します。

・個人年金保険

個人年金保険は、毎月保険料を払い込み、年金原資をつくり、一定年齢になると年金が受け取れるという保険商品です。そのため、個人年金保険は公的年金の上乗せとして活用するのもいいでしょう

・変額保険

変額保険は、払い込んだ保険料を保険会社が特別勘定で運用し、一定期間経過後、一時金または、年金が受け取れる商品です。個人年金保険と同様、公的年金の上乗せとして活用するのもいいでしょう。特別勘定で運用するため、運用成果が良ければ受け取る保険金が増えますが、株価や債券価格の下落、為替の変動により、積立金額、解約返戻金額は既払込保険料を下回ることがあり、損失が生ずるおそれがあります。また資産運用関係費などの諸費用の負担もあります。負担する諸費用や料率は、保険商品によっても異なるため、詳しくはパンフレットやご契約のしおりを必ず確認するようにしましょう。

・終身保険

終身保険は一生涯の保障に加えて貯蓄性があるため、老後の資産形成にも活用できます。加入年齢などの要件を満たせば、解約したときに受け取れる解約返戻金が払込保険料総額を上回ることがあるので、資産形成にも役立ちます。

・老後資金を準備するための方法とは

老後資金のように大きな金額を準備するためには、時間がかかります。効率的な資産形成をするために、保険商品をはじめとしたさまざまな金融商品を組み合わせることも検討してみましょう。

こちらで、老後の資産形成に向けて、さまざまな方法を紹介しています。何から始めていいのかわからない方、また準備する期間があまりないと感じている方も参考にしてください。

資産形成は、当社のアドバイザーにご相談ください

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金子 賢司

CFP

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。

以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

※記載内容および税務上のお取り扱いについては、2024年9月現在の内容であり、今後、税制の変更などによりお取り扱いが変更となる場合がありますのでご注意ください。また、個別の税務などの詳細については税務署や税理士など、専門家にご確認ください。

※このコラムの内容は各商品・制度の情報提供を目的としたものです。一般的な説明であり、特定の商品を説明・推奨・勧誘するものではありません。取扱会社などによって、お取り扱いが異なる場合がありますので、各資料などをご確認いただき、ご意向に沿ったものをご検討ください。

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