個人年金保険への加入を考えている方の中には、個人年金保険が年末調整や確定申告で所得控除の対象となるのか気になる方もいるでしょう。
ここでは、個人年金保険の生命保険料控除についてご紹介していきます。
目次
生命保険料控除は、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3つの種類に分けることができます。
控除の対象は1月1日~12月31日までの1年間に払い込んだ保険料で、保険料の額に応じて、契約者(保険料負担者)の所得から一定の控除額を差し引くことで課税対象の所得が減り、所得税・住民税の負担が軽減されます。
ただし、生命保険料控除の対象とならないものもあるので注意が必要です。
これらの保険は生命保険料控除を受けることができません。
生命保険料控除の適用を受けるための重要なポイントは、保険金等の受取人が、所得者本人か所得者の配偶者や親族であることです。
個人年金保険の契約では、個人年金保険料税制適格特約を付加し一定の条件を満たした場合、個人年金保険料控除を受けることができます。
個人年金保険料税制適格特約を付加するためには、個人年金保険を契約していても次の4つの条件をすべて満たしている必要があります。
個人年金保険料税制適格特約を付加していない場合や変額個人年金保険では、一般生命保険料控除の対象となります。
個人年金保険料控除の手続きには、生命保険会社が発行する「生命保険料控除証明書」が必要です。
生命保険料控除証明書は、毎年10月頃になると契約している保険会社から郵送で届くので、忘れずに保管してください。
また、生命保険料控除証明書は電子データ(XML形式)の発行が可能です。保険会社から受領し、e-Taxから確定申告する場合は、そのまま添付して提出することも可能です。
会社員の場合は、年末調整で生命保険料控除を受けることができます。
生命保険料控除証明書を、勤務先から渡される「給与所得者の保険料控除申告書」と共に勤務先に提出します。なお、期日までに必要書類を提出できずに年末調整に間に合わなかった場合や、給与収入が年間2,000万円を超える場合などは、確定申告で手続きする必要があります。
電子的控除証明書を保険会社から受領した場合は、年末調整控除申告書作成用ソフトウェアや勤務先指定のソフトを使用し、取得した電子データ(XML形式)を申告書に添付し提出できます。
自営業者の場合は、確定申告の際に生命保険料控除証明書を確定申告書に添付して提出します。e-tax(国税電子申告・納税システム)を利用して確定申告する場合は、生命保険料控除証明書の添付を省略することができます。ただし、原則として5年間保存しておくことが必要です。
また、電子的控除証明書を保険会社から受領し、e-Taxから確定申告する場合は、そのまま添付して提出することも可能です。
CFP
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。
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