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つみたてNISA(積立NISA)は残しておくべき?2024年からの新しいNISA制度について知っておくべき注意点も

2023年までのNISA制度であったつみたてNISAは、運用の原則である「長期」「積立」「分散」投資が自然にできる、その上、非課税で運用できることから人気を集めていました。2024年になり新しいNISA制度が導入され、これまで行ってきたつみたてNISAをどうするべきか不安を抱えている人も多いと思います。

今回は、現在保有しているつみたてNISAをどうするべきか悩んでいる人に向け、以前のつみたてNISAの取り扱い、および新しいNISA制度の注意点についても解説します。

※NISAおよびiDeCoはマニュライフ生命では取り扱っておりません。

目次

つみたてNISAとは

つみたてNISAとは、2018年1月から始まった、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。通常であれば、運用で得た運用成果に対しては20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAを利用することで、非課税で運用できます。

つみたてNISAが利用できるのは、日本国内に居住する20歳以上の人で、上限年齢は設けられていません。非課税となるのは、一定の投資信託への投資から得られる運用成果で、1人1口座しか開設できない点にも注意が必要です。そのため、もう1つのNISA制度である一般NISAとは、どちらか一方の選択制となっていました。

ただし、つみたてNISAは2023年で終了となり、2024年からは新しいNISA制度が開始しました。

つみたてNISAと一般NISAの違いは?

同じく2023年で終了となった一般NISAとの違いは以下の表のとおりです。一般NISAは、投資商品を毎年120万円までを上限として購入でき、最長5年間非課税で運用できます。つみたてNISAでは、毎年40万円までを上限として、最長20年間非課税で運用できます。投資対象商品に関して、一般NISAは上場株式も購入することができますが、つみたてNISAは長期の積立・分散投資に適していると金融庁が認めた商品に限られており、比較的リスクを少なくした運用が可能でした。

なお、2023年までに購入した一般NISAは最長2027年、つみたてNISAは最長2042年まで新しいNISA制度の別枠として保有することができます。

 

つみたてNISAを残しておく、そのメリットは?

新しいNISA制度の開始後も旧制度のつみたてNISAを残しておくべきメリットは、以下のとおりです。

譲渡益・分配金の非課税期間が20年

譲渡益および分配金に対しては、20年間非課税になります。通常、投資信託を売却して得た後の譲渡益や分配金については20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAの場合は課税されず、全額受け取ることができます。

また、分配金ついては現金で受け取るか、分配金をもとに同じ投資信託を追加で購入するかを選択できます。この分配金をもとに同じ投資信託を追加で購入することを、分配金再投資といいます。非課税投資枠が残っている場合は、再投資も新たに含まれてしまいますが、複利効果を得られるため、より高い運用成果が期待できます。

・iDeCoと違い、いつでも引き出しできる

iDeCoは個人型確定拠出年金の略称で、私的年金の1つです。年金、つまり老後資産の形成という目的を持っていることから、原則60歳まで引き出すことはできません。

しかし、つみたてNISAの場合は、いつでも引き出すことができるため、まとまった金額が必要になったときなどに引き出して、目的に応じた利用が可能です。なお、引き出しの際には手数料がかかる場合がありますので、注意が必要です。

・売却や口座解約も可能

つみたてNISAは始めたら、ずっと続けなければならないわけではありません。自分の好きなタイミングで投資商品を売却することもできますし、つみたてNISAの口座自体を解約することもできます。

つみたてNISAの口座を解約する場合は、口座を開設している金融機関から「非課税口座廃止届出書」を取り寄せ、記入して必要書類とあわせて提出することで手続きが完了します。

・初心者でも、長期的な運用に向いている

つみたてNISAで用意されている運用商品は、原則として販売手数料が無料で信託報酬も一定水準以下など、金融庁が長期運用に適していると認めた商品となっているため、運用が初めての人でも安心して利用できるというメリットがあります。

・新しいNISA制度と別枠なので、非課税保有限度額の影響を受けない

旧制度のつみたてNISAで保有している資産は、2024年より開始した新しいNISA制度と別枠で保有できます。そのため、新しいNISA制度の非課税保有限度額の影響を受けず、そのまま最長20年間非課税での継続運用が可能です。

つみたてNISAのデメリットは?

つみたてNISAには、メリットばかりではありません。以下に紹介するデメリットが存在することも知っておきましょう。

・短期で大きな収益は得られない

つみたてNISAの特徴は、原則として毎月同じ額で自分が選んだ運用商品を購入することです。そのため、運用商品の価格が下がったからといって、まとまった額で購入することはできません。また、運用商品が比較的リスクが少ないものになっているため、短期間で大きな運用成果を得ることは難しい点もデメリットです。

・投資なので、元本割れのリスクはある

これはつみたてNISAだけにいえることではありませんが、投資である以上、市場の動きによっては元本割れの可能性はあります。ただし、長期間運用することにより、マイナスの局面を減らす効果もある点を覚えておきましょう。

・損益通算ができない

通常、一般口座や特定口座など複数の口座で運用を行っている場合で、そのうち損失が出た口座があるときには、別の運用成果が出た口座の運用益と損失を相殺することができます。このことを損益通算といいます。さらに、損益通算を行っても損失が残る場合は、その損失を翌年以降3年間繰り越して控除できます。

しかし、つみたてNISAの口座は非課税口座のため、損失が出たとしても、ほかの口座と損益通算をすることができない点がデメリットです。

・新しいNISA制度の非課税保有限度額の影響を受けないので、売却しても新しいNISA制度の非課税保有限度額はもどらない

2023年までに購入したつみたてNISAは、2024年から開始した新しいNISA制度とは別枠で管理されます。つまり、新しいNISA制度の非課税保有限度額とは異なる仕組みとして運用するため、たとえつみたてNISAを売却したとしても、新しいNISA制度の非課税保有限度額に余裕ができるわけではありません。

つみたてNISAを始めて20年後 非課税期間が終ったら?

つみたてNISAの非課税期間が終了したからといって、それまで積み立てた資産をすぐに売却しなければならないわけではありません。もし、その時点で市場が下落傾向にある場合は、売却すると損失が発生する可能性が高くなります。

20年後、非課税期間が終了した後は市場の動きを見ながら運用を続け、自分の納得のいくタイミングで売却を進めていくことを考えましょう。

つみたてNISA 、やめ時は?

つみたてNISAはいつでも売却もしくは解約ができますが、やめ時については、タイミングを考えながら行うことが大切です。

・目標金額に達したとき

売却や解約のタイミングの一つが、「目標としている金額に達したとき」です。目標金額に達した場合は、市場の動き次第でそこから値が下がってしまう可能性もあります。そうなる前に売却して金額を確保しておきましょう。

・資産価値が下がったときは、むしろ静観する

市場が値下がり傾向にある時は、不安になって売却もしくは解約した方がいいのではないかと考えがちです。ただ、市場は値動きを繰り返しており、常に上がり続けることもなければ、下がり続けることもありません。

逆に資産価値が下がったときは、つみたてNISAの特徴が最大限発揮できるときだと静観することが大切です。

・旧NISA口座を持っている人は、新しいNISA口座が自動で設定されている

2023年末までにつみたてNISAの口座もしくは一般NISAなどNISA口座を持っている人は、新制度開始時に同じ金融機関で新しいNISA口座(つみたて投資枠および成長投資枠)が自動的に設定されています。

保険会社に運用を任せられる、保険という選択肢

老後資金の資産形成を目的とする長期運用を考えているなら、つみたてNISA以外に保険商品を活用する方法もあります。例えば、保険会社が用意した特定勘定で運用できる変額保険などのさまざまな商品があるので、活用してもいいでしょう。

保険商品で運用を行うメリットは、運用と万一の保障も準備できることです。万一の保障に不安がある人は、保険という選択肢もありますので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

保険での資産運用を考える際には、プロのアドバイスを参考に商品選びを行うことをおすすめします。マニュライフ生命では、無料相談窓口を設けております。インターネットで簡単に予約ができますので、ぜひご相談ください。

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新井 智美

ファイナンシャルプランナー(CFP®)、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー

トータルマネーコンサルタントとして、コンサルタントとしての個人向け相談や、資産運用などにまつわるセミナー講師のほか、大手金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間300本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績 は2,000本を超える。

※記載内容および税務上のお取り扱いについては、2024年12月現在の内容であり、今後、税制の変更などによりお取り扱いが変更となる場合がありますのでご注意ください。また、個別の税務などの詳細については税務署や税理士など、専門家にご確認ください。

※このコラムの内容は各商品・制度の情報提供を目的としたものです。一般的な説明であり、特定の商品を説明・推奨・勧誘するものではありません。取扱会社などによって、お取り扱いが異なる場合がありますので、各資料などをご確認いただき、ご意向に沿ったものをご検討ください。

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