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リスクマネジメント

当社は「統合的リスク管理基本方針」を策定し、そのなかで会社全体のリスク管理のフレームワークやガバナンス体制等を規定しています。
当社のリスク管理のフレームワークは、全社的なリスク引受業務およびリスク管理体制を構築するための体系的なアプローチを定めています。そして、このフレームワークにより、当社の事業戦略およびリスクアペタイトが一貫したものとなっています。

リスク管理の体制

リスク・フィロソフィー

当社はリスクの引受けおよびリスク管理に際して、以下に掲げるリスク管理目標を重視しています。

  • お客さま、債権者、株主および役職員と築きあげてきた約束と信頼を守る。
  • お客さまのために革新的な商品の開発と展開、および顧客中心のデジタル体験の提供を通じて、ソリューションの設計と実行を支援する。
  • 株主が当社に投資した資本を、適切なリスク・リターンのプロファイルのもと、慎重かつ効率的に運用する。
  • 資産管理を行うお客さまの資産を、お客さまの目的に合わせて運用する。
  • 高水準の業務遂行力を実現・維持する。
  • 役職員の満足度に配慮しつつ、多様かつ公平で、一体化を目指したビジネス環境を促進する。
  • 事業活動全体および地域社会への影響において、環境・社会・ガバナンス(ESG)の影響を考慮する。
  • マニュライフのブランド価値やレピュテーションを守り、高める。

 

リスク・カルチャー

当社は、ミッションと戦略的な優先事項の達成を可能とするため、以下の「当社の価値観」にコミットしています。

  • お客さまにこだわる
  • 正しい行動を取る
  • 大きく考える
  • 共にやり遂げる
  • 責任感を持つ
  • 人として思いやりを示す

 

リスク・アペタイト

当社は、当社の目標を達成するために引き受けるリスクについて定めたリスクアペタイトに沿って、リスクを引き受けます。リスクアペタイトは、リスクアペタイトステートメントとしてまとめられ、指針となります。また、当社の事業戦略と整合していることを確認するため、毎年見直します。
 

リスクアペタイトステートメント

  • 顧客に対する責務を確実に履行するとともに、継続的に適切な株主還元を行うのに必要な、相応のリスク総額を許容する。
  • 市場リスクをあらかじめ定められたリスク許容度、リスク限度の範囲内において引き受ける。
  • 資産の分散化投資は、リスク総額を減少させる一方で、リターンの向上に効果的と捉えている。分散化を図るうえで、信用リスクおよび債券以外の比較的デュレーションの長い代替資産(ALDA)のリスクを引き受ける。
  • 顧客および株主価値の向上に資する保険リスクを積極的に引き受ける。保険リスクの評価、モニタリングに関しては比較優位性をもち、その引受けにより適切な対価を得ている。
  • オペレーショナル・リスクは主要なリスク・インディケーターの閾値および許容値の範囲内に管理されている限りは、それを事業運営に内在するものとして引き受けるが、当該リスクが事業運営および顧客の資産に支障を及ぼさないよう、費用対効果を考慮したリスク削減策に取り組む。
  • 役職員は、マニュライフの価値観、倫理感および基準のもとに行動し、それによりマニュライフのブランド価値やレピュテーションが守られることが期待されている。

 

リスク・ガバナンス

取締役会は、当社のリスク管理の状況を監督する責任を負っています。その実務権限は、「3本の防衛線」モデルを軸に、経営陣や統合的リスク管理委員会に委任されるとともに、その詳細は各リスク管理の方針に定められています。

当社の第1の防衛線は、代表執行役社長兼CEOと経営陣です。経営陣が統括する各部門は、業務成果や成果を達成するために引き受けたリスクの日常的な管理や関連する内部統制について、取締役会に対して説明責任を負っています。

第2の防衛線は、最高リスク責任者であるチーフ・リスク・オフィサー(CRO)およびリスクマネジメント担当部門、ならびにその他のリスク管理関連部門(コンプライアンス、法務など)です。あらゆる部門におけるリスク引受業務およびリスク削減策について、CROおよびリスクマネジメント部門が独立して監視しています。さらに、アジア地域本部およびグループ本部のリスクマネジメント担当部門の支援を受けて、第1の防衛線とは独立した立場で、当社全体のリスク引受けおよびリスク削減活動を監視し、助言を行なっています。

第3の防衛線は、内部監査担当部門です。同部門は、独立した視点から、業務に内在する主要なリスクに対応するためのコントロールが適切かつ効果的に整備および運用されているか否かの検証を行なっています。また、リスク削減策やリスク監視機能が有効であるか否かの検証も行なっています。

当社は、各防衛線の機能強化を推進しています。

第1の防衛線の自律的管理機能の強化としては、営業部門内の管理態勢、各関連部署へのレポーティングラインや情報共有について整理し、策定した計画に基づき継続的なモニタリング、改善にむけてプロセスを整理するなど、管理機能を強化しました。

第2の防衛線の強化としては、アジア地域本部およびグループ本部と連携したリスクマネジメントに関する定例会議、コンプライアンス課題にかかる定例会議等を設置・開催し、グループとの連携を強化しました。

第3の防衛線の検証機能の強化としては、セールスコンダクトリスクに対する監査人の知見向上のため、社内外のソースからの情報収集の強化、人材採用・育成を実施しました。専門知識を要する分野の監査においては、外部専門家の活用を実施しています。

統合的リスク管理体制

総合的リスク管理体制

 

統合的リスク管理委員会

統合的リスク管理委員会は、当社の統合的リスク管理上の諸施策の実行を確認します。また、リスク関係諸方針を承認します。当社の主要リスク・プロファイルを規定するとともに、今後主要リスクとなり得る事象(エマージング・リスク)を明確に規定することにより、当社のリスク引受活動のガイダンス的役割を果たします。

 

資産負債管理委員会

資産負債管理委員会は、市場リスク(流動性リスクを含む)、信用リスク(再保険を除く)および資産負債管理業務全般を監視する機関です。また同委員会は、市場リスクおよび流動性リスクに係る各種方針を定めるとともに、主要リスクの管理活動全般をモニタリングします。制定済みの各種方針の遵守状況もこの委員会でモニタリングします。

 

資本/ファイナンス委員会

資本/ファイナンス委員会は、当社の資本管理を監視し、資本およびソルベンシー管理に影響を及ぼす戦略的問題について、必要な指示を行います。また、当社のソルベンシー・マージン比率の目標レンジについても、この委員会で原案を作成します。

 

商品リスク委員会

商品リスク委員会は、商品設計およびプライシング・リスクを含む保険商品に関わるリスクを管轄します。具体的には、保険商品開発に起因するリスク、保険契約の引受け、保険金・給付金の支払い等に関係するリスク全般を管轄しています。さらに、商品リスクに関するアサンプション(死亡率、罹患率および契約者行動)のモニタリングも行なっています。

 

情報リスク会議

情報リスク会議は、情報リスク管理業務を監督し、情報リスクに関する事象や問題のエスカレーション先として機能します。また情報リスクについて定めたリスクアペタイト、ガバナンスを監視し、当社の主要な情報リスクをレビューおよび優先順位付けし、改善および軽減アクションの実施状況の確認を行います。